『シンプル・ダイエット』は、体重(と体脂肪率)を毎日計って記録してグラフで確認することで、食事や運動の習慣に気をつける気持ちが自然に生まれてくることを意図してつくられています。それでは、具体的にどのようなことに気をつければよいでしょうか?
体重が増えすぎてしまう原因は生活習慣や体質など人によってさまざまで、それによって効果的な方法も違ってきますが、ここでは多くの人にとって大切と思われることを10項目にまとめました。健康的な食事と運動の習慣づくりの参考にしてみてください。
1.栄養バランスに気をつけて、糖質と脂質を控えめに
糖質と脂質のとりすぎは体重が増えすぎる原因のひとつです。糖質の摂取は血糖値を上げ、インスリンの分泌を誘発して血液中の糖質が脂肪細胞に取り込まれやすい状況を生み出します。脂質は1gあたりのエネルギー量が最も高く、うっかりするとすぐに1日に必要な量を超えてしまうので過剰摂取に気をつけたいところです。
糖質や脂質を控えるといっても、完全にカットしてしまうのは禁物。糖質を主に含む食品には、排泄を促す食物繊維や糖質・脂質の代謝に必要なビタミンやミネラルを豊富に含むものもあります。脂肪は細胞膜などの材料となるなど大切な栄養素でもあります。特に体内ではつくることができない必須脂肪酸は食品からバランスよく摂取する必要があります。
また、ただ食べる量を減らすだけのダイエットも必要な栄養素が不足したり、体が少ないエネルギーでも生き延びられるようにエネルギーをセーブする方向に働くことで基礎代謝量の低下を招き、太りやすい体質になってしまったりします。
筋肉を減らすことなく体脂肪を減らすためには、筋肉のもとになるたんぱく質をしっかり摂ることも大切。
適正体重に近づきその状態を長く維持し続けるためには、極端な絶食や特定の栄養素をカットしたりせず、バランスのよい食事から必要な栄養素を摂取するように心がけましょう。
2.GI値に気をつける
同じカロリーでも体への取り込まれやすさに違いがあり、それによって太りやすさにも違いがでてきます。
ある食品を食べた後の血糖値の上昇のしかたを数値化したのがGI値で、GI値が大きいほど取り込まれやすく、小さいほど取り込まれにくいことを示しています。
例えば、白米よりも玄米、うどんよりも蕎麦、食パンよりもライ麦パン、白砂糖よりもメープルシロップの方がGI値が小さくなります。
普段の食事でGI値の小さいものを選ぶことを意識することが有効です。
3.食べる順番に気をつける
血糖値の上昇をゆるやかにして体への取り込みを抑えるには、GI値の小さい食品を選ぶのと同時に、食べる順番を意識することも有効です。
はじめに野菜などの食物繊維を多く含むものから食べ始め、次に肉や魚などのたんぱく質を多く含むものを、最後にごはんなどの糖質を含むものを食べるようにすると、同じものを食べても血糖値の上昇がゆるやかになり、太りにくくなります。
4.夕食を控えめに、早い時間にとる
人の体は最も活動する昼の時間にエネルギーを多く消費するため、これに合わせて朝と昼にしっかり食べて、活動レベルの低下する夜にはあまり食べないことが有効です。
特に寝る直前に食べたものは脂肪として蓄えられやすいといわれています。夕食は遅くとも寝る3時間前までに済ませるようにしましょう。
5.よく噛んで、ゆっくり食べる
よく噛んで食べることで脳の満腹中枢が刺激され、満腹を感じやすくなるといわれています。また満腹を感じるまでには時間がかかるため、食べるのが速すぎると満腹を感じるまでにたくさん食べてしまいがちです。よく噛んでゆっくり食べるのを習慣にすることで太りにくくなります。
6.塩分を控えめに
日本高血圧学会ガイドラインでは、1日の食塩摂取量を6g未満にすることが勧められています。これはあまり意識せずに食事をすると簡単にオーバーしてしまう量です。
塩分のとりすぎは高血圧やがんのリスクを高めるだけでなく、代謝を低下させて太りやすい体質につながるので注意が必要です。
7.水分をしっかりとる
体重の60~70%は水分で、年齢と共に低下していくといわれています。水分をしっかりとって体の水を循環させることで、便秘を防ぎ代謝を促進することができます。
8.自律神経の働きを整える
ストレスなどで自律神経のバランスが崩れると、日中に活動するはずの交感神経の働きが低下して基礎代謝量の低下につながり、太りやすい体質になります。
肥満の大部分は食べ過ぎよりも交感神経の働きの低下が原因であったという報告(モナリザ症候群)もあるようです。
睡眠時間をしっかり確保して、朝や夜には深呼吸やストレッチなどでリラックス、昼はマッサージや軽い運動などで体の活動レベルを上げることで、自律神経の働きを整えて太りにくい体質をつくりましょう。
9.適度な運動を習慣にする
筋肉を減らさずに脂肪を減らす健康的なダイエットには運動は不可欠です。
ただ、あまり激しい運動は必要なく、脂肪燃焼にはウォーキングや軽いランニングなどの有酸素運動と、筋力レベルに合わせた筋肉トレーニングの組み合わせが有効です。
有酸素運動では、運動中の心拍数が運動強度の目安になります。年齢、性別、安静時の心拍数から脂肪燃焼に有効な心拍数を計算する「ファットバーン心拍数計算器」をご用意させていただきましたので参考にしてみて下さい。
10.週に1度は「解放食」の日をつくる
ストレスはダイエットの大敵。どんなに健康的な食事を続けても、それがストレスになってしまっては本末転倒です。
週に1度は好きなものを食べたいだけ食べる「解放食」の日をつくると、無理なく楽しく続けやすくなります。
以上、健康的な食事と運動の習慣づくりの参考になればと思います。
もし項目が多すぎると感じられた場合は、はじめは参考になりそうなものをいくつか選んで実践してみて、自分にとって効果の高いものを見つけるのがおすすめです。
自分に合ったダイエット法を見つけることは、自分を知ってさらによい方向に進むためのプロセスです。『シンプル・ダイエット』アプリで効果を確認しながら、このプロセスを楽しみましょう!